喜び と 秘め事


異国での雰囲気?

大きくもなく、小さくもない窓からは
自分の住んでいる国と変わらぬ雰囲気を持つ国

自分がどこにいるのか判らなくなる様な錯覚に陥ってしまいそうになるにも
どこからか聞こえてくる言葉は異国の言葉で
唯一ココがどこなのか教えてくれる。

日本にもっとも近い、異国の国     韓国

夕食をとった後、昼間移動時に使っていたバスに乗り込み
本日と翌日に使うホテルに入ると
それぞれの部屋に入って行き、各自自分の時間を楽しんでいた。

ドアを開ければどこかの部屋からか笑い声や話声が聞こえてくるものの
に与えられたは部屋はツイン
2人寝泊まり出来るのだが女性の西園寺は別部屋の為
一人で部屋を使う事になり、部屋はだす音以外は
無音に近い状態だった。

思い出されるのは夕食の時の出来事

怒っている顔の郭
楽しげに笑う潤慶

郭が怒った原因は
たぶん自分・・・・・

郭の知らない所で潤慶と友達になっていた事

話す事は出来なかった。
ナイショと言われたから・・・・

だから・・・・・・でも・・・・・・・・・・・・

無音い近い部屋での考えは
雰囲気が混ざり悪い方向へと進んでいってしまい
どこか明るい場所へ行きたくなりカギを持ち部屋を出た。

電気の光で明るい廊下を歩いていると
西園寺の声が聞こえ

「夜間は外出禁止! 部屋にもどりなさい」

注意を促す言葉に釣られる様には声の方向に向かうと
西園寺が3人の少年の後姿を見送っている所にでくわし
ナニが起こっていたのか判らず、西園寺の背中を見ていると
の視線に気が付いたのか振り向き

「あら、ちゃんどこかに行くの?」

微笑みながら話かける西園寺に

「はい。郭くんの所に行こうと思って・・・」

返事を返すと

「そう。就寝時間前には部屋に戻ってね」

言葉と共に伸ばされた手はの頭を撫ぜると
すぐに離れ、その場を離れる為歩き出し
廊下を曲がると西園寺の姿は見えなくなった。

離れていく西園寺が見えなくなり
重い気持ちを出す様に溜め息をし廊下に立ち尽くしていると
従業員らしき人に声をけられ
あいまいに返し礼を言うとその場を離れるが、
目的の場所にどうしても行く事が出来ず、
自分の不甲斐なさに、ため息を付き情けなくて涙がそうに
なるのを必死に押さえ込む。

泣いちゃダメ・・・悪いのは私なんだから・・・・
ココで泣いたら将に迷惑がかかちゃう! 

泣きたくて重くなっていく気持ちを紛らわせる為
適当に歩いていると、少し広くなっているフロアーで
立ち止まり下を見ていた視線を上げると
ガラスの窓からは人工で作り出された光が輝き、
どこかの雑誌に載っている様な風景が目に入いった。

何も考えずに目に入ってくる風景を見つ続けていると
数人を足音が耳に入り光か入ってこなかった目には
色が付いた光が映ると、数人の影が見え
好奇心に身を任せ影を追うと
顔見知りの人物の中にもっとも大切な人物を見付け
先ほどの思い気持ちが一瞬にして消え去り
笑っている事が自分でも分かるぐらい軽くなった気持ちで
駆け寄り声をかけようと走り出すと
自分が尋ねて行くハズだった人物がおり
急いで駆け寄り

「待って、郭くん!」

勢いづいた足は急には止まれず郭の背中に
が抱き付く様な形での動きは止まった。

「お願い。待って下さい、郭くん」

少女特有の高い声にぶつかる様な衝撃を背中に受け
驚き立ち止まり、今、自分がどういう状態に置かれているのか
予想をし衝撃を受けた背中を見てみると
小さな女の子が必死に自分にしがみついている姿が目に入り
誰が見ても分かる様な大きなため息を付くと

ちゃん、部屋に戻りたいから離してくれない」

口から出る言葉は冷たく刺す様な言葉に

「イヤです!」

聞こえてくる言葉にどんな感情なのかが分かったが
返す言葉は力強く、一番感情が伝わる言葉に
付け足す様に言葉が続く

「ココで離れたら郭くんは私の話を聞いてくれない
 気がするんです。だからイヤ」

下腹部に回っている手がに力が加わり
先ほどよりキツク抱きしめてられ
再び大きなため息を付くと郭は自分の後ろにいる
風祭に視線を向けると苦笑している表情を見ると
何事も無い様に歩き出した。

郭に抱きついていたも離れまいと抱き付いたまま
歩き廊下を進み出した。

郭が進めばも同じく進む

幸い廊下には誰一人として抱きつかれたまま歩いて行くと
郭は並んでいたドアの1つのドアに手をかけ
室内に入って行った。

「あ、おかえり英士」

ベットの上にうつ伏せになり雑誌か何かを読んでいたのか
首を動かし顔を動かし言葉をかけると
再び視線を元に戻した。

「一馬、そんなに近くでTV見てたら目が悪くなるよ。
 少しぐらい離れて見たら」

「あぁ・・・・そうだな・・・」

郭の言葉に従うTV前から離れる為に立ち上がり
振り返ると真田の視界には今しがた部屋に入ってきた郭の姿が
入ったがナニか違和感を感じ見ていると腹部の辺りに
郭の着ている服とは違う色の布が見え、更に見ていると
手らしきものが見え、ついに指を刺し郭に疑問の言葉を投げる

「英士、それ・・・・」

真田の指を刺されている所を視界に入れ
 
「あぁ、ちゃん。なんでもオレに話があるらしいよ」

ちゃん!?英士、ちゃんどこにいるんだよ?」

先ほどまでナニかに集中して郭の姿も見ていなかった若菜が
の名前に敏感に反応し寝ていた体を起き上がらせ
発言をした郭の姿を見ると
郭の背中にぴったりろ抱きついているの姿が若菜の視界に入った。

「ナニしてるの?ちゃん」

思わず考えた言葉を声をして出してしまう程
違和感を感じずに入られない光景に凝視してしまうにも
背中にひっいているも声を掛けられたにもかかわらず
言葉も視線も動かさず郭から離れない。

郭も何もない様に歩く姿に幻ではないかと疑いを持つ程
室内を歩きベットに腰掛るががどうしても邪魔になり
三度目のため息を付き背中にいるに声をかける

「ココじゃぁ逃げないんだから離してくれない。
 ベットにも座りたいし」

下腹部に回されていた腕はゆっくりと力が弱まっているのか
郭との間に少しづつ隙間が出来始め
完全に郭とが接触していた所がなくなると、
は郭の目の前に姿を現し、郭は先ほどの言葉通り
ベットに座りとの視線を近づけた。

「で、話てナニ?」

位置ではの視線に近づいたいものの
肝心のが俯き郭の姿を見ようともせず
いつまで待っても変わらぬ態度でいる事に
言葉を促すよう郭が言葉をかけると
大きく体を揺らし、いきなり顔を上げ

「あ、あの・・・ユン君のコトなんですけど・・・
 それで、その・・・・・・・・」

郭の視線に合わ必死に言葉を作り声にすると
真田と若菜も先ほどの同様大きく体を揺らし
少し距離を取った。

「それで?」

離れて行く友人を視界の端で見ながら
との視線は外さず会話を続ける。

「えっと・・・ユン君に渡したマフラーなんですけど
 その、ユン君チョコ嫌いて言ってたので・・・・・・」

「チョコの代わりにマフラーを送った」

「はい。冬の韓国は寒いんだと言ってらっしゃたので・・・」

「別にそんな事、オレ報告しなくてもイイんじゃないの」

「え?いえ、なんだか怒ってみえたので 
 私が余計な事をしただと思って・・・・」

郭の言葉にオドオドし始めてたに本日何度目のため息を付き

「別に怒ってないから」

「でも・・・あ!そうだ。郭くんにもマフラー編みますね!
 何色がいいですか?」

名案とばかりに笑顔での言葉に

「いや、そう意味で怒ってたんじゃ・・・」

あまりの突拍子のない言葉に、呆気に取られながらも言葉を返すが

「あ、黒も良いですけど藍色もいいですよね!」

「いや、だから」

「ユン君も好きな色を使ったんです。 
 郭くんも好きな色を言って下さいね」

「ユンに聞いたの?」

の声で出された名前に、声を低く返すが

「ハイ。
 と言っても手紙でお聞きしたんです」

「住所交換したの?」

「はい」

笑顔で是と頷く

「どこで?」

「ナイショです」

このままリズムに任せしゃべってくれるだろう
と、踏んだ郭の口調だったが
アッサリはかわした。

「ふ〜ん・・・・月1ぐらいの割合?」

「いえ、月2です」

「そんなに文通してたの?」

「はい」

「そう、で、オレに話たい事はそれだけ?」

「え!えっと・・・・ごめんなさい」

いきなりの話の戻り方に戸惑い、頭を下げるものの

「どうして、あやまるわけ?」

誤られ理由がない。
どうして誤るのか分からない

言葉と態度で表した郭には言葉を創る

「郭くんが知らない間に私がユン君と仲良くなって
 イヤだったんじゃないかなと思って・・・」

私がユン君の名前を出すと郭くん怒ってませんか?
だから・・・

視線を外す事はせず、まっすぐに郭を見ながらの言葉に
郭は驚きの表情を隠せないのか
目を見開き動きが止まっていた。

「郭くん・・・・・・」

何か言ってはいけない事を言ってしまったのか?
そんな雰囲気を出しと共に小さな声と弱弱しい発音で
言葉をかけると

「なんでもないよ。そうだねマフラー作って貰おうかな
 色はちゃんに任せるよ」

「いいんですか?」

「うん。出来ればユンのより出来の良いモノがいいな」

「はい!任せて下さい」

腕によりをかけて作りますね!

微笑みながら頷くと、消灯時間ですので
と、郭達の部屋を後にし与えられて部屋へと
リズムかるに足音を鳴らし帰って行った。

「本当、ドコで知り合ったんだろうなぁ・・・・」

のいなくなった部屋では距離を取り
今までのナリユキを見ていた真田の言葉が部屋に響くと
 
「ユンも言わない、ちゃんはユンとの約束を守ってるじゃ
 聞き出す事は出来ないよなぁ・・・・」

真田同様、距離を置き見ていた若菜はため息交じりで
天井を見ながら言葉を作り

「今さら気にしてもしかたないでしょ」

それより明日試合なんだからもう寝たら?

2人の言葉を切ると座っていたベットの上にスポーツバックを乗せ
チャックを開け中にあるはずモノを取り出し始めると
郭の動きにつられる様に同じ行動を取り始め
いつの間にか部屋は闇に覆われた。


闇からうっすらと明るい世界へと目覚め
目に入ってくる空を見上げると今にも降り出しそうな
灰色の雲が空全体を覆い隠し
町並みも空に感化された様にどこか寂しげな雰囲気の中
戦いの緊張感と興奮を隠し切れずバスに乗り込み
フィールドと言うなの戦上へと向かう。

前日とは変わり、話声はするものの
どこか刺す空気の中、選手は後ろ座席
監督、コーチ達は前に集まってていた。
もちろんは選手ではないので
前座席に座っていた為、兄である将や郭、真田、若菜とは
ホテルで挨拶をかわしたきり話はおろか視線に姿を
入れる事も出来ない状態のまま、時間は経ち
ロッカールームでの最後のミーティングに入った。

「そうそう、フィールドでも客席でもない場所に
 見てくれている子がいるわ。私だけではなく
 その子もアナタ達を信じていはずよ」

緊張感を持った選手達の前に西園寺の燐とした
態度と声が響き終わると、一斉に数十人が同時に声を出し
一番最初に西園寺が廊下に出てきた。

ロッカールーム前で待っていたに微笑みかけ
頷くと同時に選手達が出ると西園寺は声をかけながら見送り
はその横で微笑んで前を通りすぎるのを見送った。

「さて、私達も行きましょうか」

「はい!」

選手達が全員出て行くのを見ると
西園寺が横にいるに声をかけ、その言葉にも頷き
選手達が歩いた同じ道を歩きフィールドに入り
真っ赤に染まった客席を見ると
この地がアウェー、韓国なのだと改めて実感が沸いて
不安よぎるが始まりのホイッスルが鳴り響いた。

始まり早々韓国の激しい当たり、早い戻りに
苦戦し15分後には2点と表示され
先制されている事がハッキリと分かった。

「ゆき・・・」

ひらり、ひらりと落ちてくる雪は次第に
多くなり視界は赤と緑から白が増え
寒さを感じずにはいられない状態になっており

東京選抜が1点を返した処で前半終了すると
オーダー変更をし
後半開始のホイッスルが鳴り響く頃には
芝生の上にはうっすらと雪が積もり
ボールが止まらなくなり
両者思う様に試合を進めずにいると
間宮が伊賀・杉原が黒川と交代し
試合を再開するものの、すぐさま藤代と風祭の交代があると
ボールは東京から韓国へと渡り
ゴール前での競り合いが起り、ゴールを守るものの
小堤が倒れたまま動かなかった。

「小堤君・・・・・・・」

心配のあまりこぼれた言葉にの周りにいた選手達は気が付くが
言葉を出した本人は気が付かず呆然と立ち尽くしていると
何も指示だ出さす西園寺達はベンチに戻り
試合が再開さると、水野のパスが通り鳴海がヘッドでゴール下に落すと
走りこんでいた風祭が滑りながらもシュートを決め
韓国と同点となり

後半残り数分となった所で韓国からのロングボールで始まると
内藤がカットしたボールを椎名がドリブルで上がっていくと
鳴海・水野の動きに釣られ中央が開くと、前線にいる風祭へ
渡すが韓国選手が足を引っ掛けた為フリーキックの指示が審判から言い渡され
水野と郭が立った。

なにかあった?

さっきまで普通に水野と話をしていたハズの郭の表情が
どこか落ち込み、不安を表した表情をだし視線を彷徨わせ
ていると若菜が合図を出し、座っていた真田はフィールド前で
たって親友の応援をしている。

の視界の端に真田を置き、どこかオカシイ郭の姿を見ていると
一瞬というより短い時間だけ郭と視線があった。

神に祈る事も、微笑む事もせずだた郭の姿を見ているの視線に
郭が気付いたのか短すぎる時間ではナニをするのも時間がなかった。
只、は郭の姿を見ていた。

反らされる事ない視線の先では、水野の動きに合わせ
郭がシュートをすると綺麗に若菜の頭上を通りGKの手を弾き
ネットを揺らし得点が加算された事を現すと
蹴った郭に嬉しそうにチームメイトが駆け寄る姿があり
ベンチの雰囲気も釣られる様に明るくなった中
フィールドとベンチの間に立っていたが言葉を作り出す

「郭くん、何かあったのでしょうか?」

の言葉を聞き取った真田が言葉を返す

「たぶん、相手チームが揺さぶりをかけてきたんじゃねぇか?」

「大丈夫でしょうか・・・・」

「英士なら大丈夫だ。ロスタイムも3分だし、この試合勝ったな」

ベンチに・・・

審判の出した掲示板と真田の言葉に3分後には試合が終わる事が分かり
真田の言葉に従いベンチに戻ろうとがフィールドに背を向け歩き出すと

「まだ韓国選手の目は死んでいない!」

西園寺の呟く言葉に慌てて振り返ると
韓国選手がゴールに向かってシュートをし、そのボールを小堤が
片手で止め様としたがタイミングが合わず、ボールはネットを揺らし
得点を表示している電光掲示板には通過点数が加算され
終了のホイッスルが終わりを告げ
走っていた選手達は足を止め、ボールはゴールから離れることなく
全てが終了した。

観客からの拍手にあわせる様にも拍手をしフィールドから
ベンチへと帰ってくる選手を迎え、ベンチに持ち込んでいた物を
手荷物とロッカールームへと下り、小堤を抱えているマルコと共に
行動をし、報告に付いて行き共に病院へと足を進めると
前方を歩いていたマルコが振り向き

ハコレヲ、任セルヨ」

言葉と同時に差し出された救急箱をが受け取ると

「皆ケガシテルカラ、手当テシテヲヨロシク」

「あ・・・・・はい」

マルコの言葉にが頷くと、手渡された救急箱を抱きかかえ
歩いて来た道を引き返し走ると、コートを着た中年男性とすれ違うが
それでもの足は止まらず選手がいるであろう部屋へ向かった。



                                       続く →